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DUAL LIFE ★ 2000/May
ビョーキ #2
産婦人科って大好きだ。
あふれる妊婦さん。にやついてるダンナさんたち。うちは戦前みたいな夫婦だから、夫は通院はおろか分娩中も、廊下を行きつ戻りつ……、なんてゼッタイしなかった。今だって、子どもの運動会も参観日も仕事している。
だから、何? って、別になんでもないんだが。検査結果は……。ってほんとは、先週にはもう出ているはずなんだよな。
でもまだ、待合室にいるんだな、これが。今日の午後はミニオフというか、ご近所のチャット仲間3人でお茶会。
あ、呼ばれた。
「あなたΓ−GTPが高かったそうだけど、それを検査したかったの?」
「はい。どのみち採血するなら、ついでにΓ−GTPも見ていただきたかったんですけど……」
「調べてないよ。また、これは内科に行って診てもらってね」
あらら。ま、いっか。性病いろいろ、全部シロ。おめでとうございましたあ。
10:46 00/05/26 M女の勲章
その人は「そんなにつらいのなら、別れておしまいなさい」とすぐ言った。
そんな! お付き合いはまだ、始まったばかりだというのに……。
わたしは絶句して、そのあと「とんでもない!」と言いきった。
わたしが覚悟を決めればいいことですから。と偉そうに言った。
去年の11月のことだ。その人は「あなただけが覚悟を決めなければならない関係というのは、ますます危うい。いつか歪みが来る」と食い下がった。
今回の件に関しても「だから、あの時、あんなに忠告したのに……」と臍をかむ思いで、ご自分まで責めていらっしゃる。お気持ちはありがたい。
いうことを素直に聞かなかったことを申し訳ないとも思う。
だが、わたしは後悔はしていない。
あの時に別れておけば、もっと傷は浅くてすんだのに……、なんて全然思ってない。
だって、本当にほんとうにわたしは前のお相手を好きだったから。
それは、彼の人となりに惹かれたというより、彼のカラダをこころから愛したにすぎないのだったが、それはそれでよかった。
人となりを把握するには付き合いが浅過ぎたし、彼もあまり手のうちをさらす人ではなかった。
でも、カラダの情報は逢ってさわって実感できることがらがすべて。
大好きだった、彼のカラダが。
他の人ではもう全然だめだった。
だから、わたしは後悔はしていない。
その人は、わたしの今度のお相手がどんなやつなのかが、はっきりしないと祝福はできないとおっしゃる。
それは、わかる。
また、わたしが傷ついて泣いてる場面が頭をかすめでもしたのか?
でも、あえてまた今回も「でも……」と、口答えをしてしまう。
どんなに優しい人と、どんなに誠実な約束を交わし合ったとしても、その人とわたしが絶対に傷つけ合わない、なんて……そんな保障はどこにもない。
わたしが、いはらを選んだのだ。
あんなに好きだった前のお相手を捨てて……。
ま、これについては「捨てさせられた」と考えたほうがいいのかもしれないが。まあ、よい。すんだことだ。
わたしの目に狂いはないなどと、トチ狂ったようなことなんぞいわない。
もしも、わたしの目に狂いがあって、またもやわたしがずたずたに傷ついて、道端に捨てられるようなことがあろうとも、わたしはその傷を負うことをいとわない。
そりゃあ、まあ、2,3日は泣くけどね。
あとは平気だ。わたしが選んだ男に傷をつけられる。いいではないか、甘受しよう。
どんな傷でも、傷は傷。
傷はM女の勲章だから。
またもや、えらそうなことを申しました。
少し離れた場所から望遠鏡でときどき覗いてみてください。
ふつつかな出戻りムスメの行状をつぶさに……。2:14 00/05/19 情事の事情
はたして、これが「その後の経過」になるものかどうか。
ただ、このままでは読者さまの「いったい、あれからどうなったんだ?」というもやもやが晴れないままだ。
わたしとて、前のお相手に直接、確かめたわけではない。
だから、表面的な眼に見えることだけしかお知らせできない。
4月30日の日記で、お別れを公言して以来、前のお相手からは、一切何の反応もない。
メールも、もちろん電話も、ない。
異議なし!
お別れ大賛成!
ってことなのか?じゃあ、メールはともかく、このサイトに来ただろうか?
でも、それを確かめる術がない。まぐまぐの読者登録はどうだろう?
はて、彼はいくつかメールアドレスを持っていたが、そのうちのどれでMMをとっていたのかさえ、わたしは知らなかった。
わたしから、いつもメールする時に使用していたwebメールアドレスで読 者検索。
ない。
まさか、とおもいつつ、職場支給のアドレスで検索。
ない……。
だから、今はもうこれを読んでいるのか、読んでいないのか。
それさえも確かめようが、ない。
それでも、わかったことがある。
本当に、もう完全に終ったんだなってことだけは、この件に関してはいささか鈍いこのわたしにも、ようやくはっきりと、わかった。
お別れした方がいいって思ってから1ヶ月以上の時間をかけてようやく終り。
修羅場も泥沼もストーカーの存在もなく、まるで何事もなかったかのように、これから先、町で会っても顔色も変えずにすれ違うであろうわたしたち。
1:39 00/05/18 ビョーキ
久しぶりに自分がお産をした産婦人科へ行ってみた。
別に妊娠とは関係なく、年がトシだけに婦人科系の疾患があるかもしれないと思っただけ。
っていうのは表向きの理由。「子宮ガンの検診お願いします。あ、ついでに血液検査も性病の検査も……」
わたしの目的は、本当にビョーキを持っていないかどうかを、この気ごごろの知れた病院でちゃんと検査してもらうことだった。
「性病の検査って、ああた。ご主人、まじめなかたでしょ?」
「いえちょっと、身に覚えがあるそうで……」身に覚えがあるのは、おまえだろ?>自分。
ビョーキのないきれいなカラダでいはらだけのものになりたい。
いはらは嫁入り前の……じゃねえや、嫁取り前の大事なカラダだ。
そいでもって、あたしがビョーキじゃあ、笑い話ですみはしない。
もし、そうだったら、お別れ? かな。始まったばっかだってのによ。
ふう。
¥10,200の請求書。結果がでるまで、1週間。
4:17 00/05/14 おまえはオレのものだ
お願い。「おまえはオレのものだ」って言って……。人を好きになると、こういってみたくなる。
みんなあんまりいい顔をしない。たまには、言ってくれる人もいたが、今、その人とはもう付き合いがない。ということは口先だけだったということだし……。前のお相手にはことわられるのがこわかったから、このせりふは言ってない。
お願い。「おまえはオレのものだ」って言って……。あたしが兄にそういうと知らないよ。言ったら、本当にオレのものにしちゃうよ。それでもいいの?じゃあ、やめとく。まだ前のお相手とお別れする気なんか、なかったから、そういってやめた。でも、また数日後、そう頼んでみたくなった。お願い、もういいから、言って。大きく息を吸いこむ音がして、ゆっくりと兄は宣告した。
「おまえはオレのものだ」って……。じゃあ、言うよ。いい?そこで「え?」なんて聞き返してるような、いわれなきゃ、いつまでも他のオトコたちに欲情し続けるような、そんなあたしだった。
りり。
りりはわたしだけのものだ。もう他の男に欲情しちゃあいけないよ。え?
そうか、一人のひとのものになったら、他の人には欲情しちゃあいけないのか……。知らなかった。
ずいぶん時間が必要だった。前のお相手にはもう欲情しないって決意するまでには……。決意はしたし、人前でも公表した。
そこから先は……、まだわからない。だって彼はまだわたしからのお別れを告げた公開メールを読んでないだろう。連休中だし、さ。
不安も大きい。
まあ、あたしのM女としての熟成度次第か。
9:04 00/05/03
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