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DUAL LIFE ★ 2001/Feb.



私小説

補足。

ところが、柳美里を完全に否定はできないのだな>自分。
マイナスであれ、プラスであれ、評価もし、その存在を意識しながら、今後の読書生活を送ると思う。

私小説が日本の近代文学を支えたとか、なんとかいうんじゃなく、わたしだって似たようなことはしているわけで、そこをこう、なんというか、この問題で私小説の是非が問われているのであるなら、わしにも一言いわせろ! と、袖をまくりたくなってしまうのだ。

高校生の頃に書いた小説も、niftyの会議室にかつて上げた小説も、登場人物には身近なモデルがいたりする。

高校の時は、演劇部の女子が、文芸部の冊子を読んで、こういってたという噂を聞いた。

***さんの小説に出てくる演劇部の演出の子って、わたしのことじゃないかしら? なんか、やだわ。

ううみゅう、ビンゴ!

でもまあ、本人からは何にも言ってこなかったから、知らん顔でやりすごした。

niftyに載せた小説は同人誌に転載する前に、登場人物にコピーを送って「検閲」を依頼した。

その返事は

この本が彼女の目に触れて、それでもし、僕たちが結婚できなかったら、その時は包丁持って、***さんを刺しに行きますから……。

わーお。

ま、発行部数が200くらいの同人誌が彼女の目に触れるはずがなく、わたしは、いまだに刺されてはいないし、彼も無事に結婚したようで連名の年賀状が1年おきくらいに届く。

裁判沙汰が怖くて作家ができるか! っていう気概だけは見習ってもいいかな。
書き方の方向性は、真似しないし、訴えられるようなヤバイものは最初から書かないけどね。
それから自分の子どものことも、書かない。

「紅葉」ですか?
ううむ。
うちのムスメは「井原りり」であるわたしを一生知らないですごすだろうから、なんとかなるでしょう。

15:20 01/02/28

柳美里の新刊『魂』。

前作『命』は、いはらの町(厳密にいうといはらの県の県庁所在地)で買ってきて、帰りのバスの中で読了し、ぽろぽろ泣いてしまったという代物であったから、そこそこに思い入れがある。
が、今回のこの「いやな感じ」はなんだ?

刊行後、すぐにいはらから柳を評価しない旨のメールをうけとってはいたが、直接わたしの読後感には影響は及ぼしていないはず。
単純に、読んでいると、いやーな違和感を覚えるのだ。

わたしらが彼女の書いた本を買う。その印税で彼女は、こういう生活をするわけか。

おい、どうなんだ。

ええ? そういうことかよ。

わたしらの払った本代がめぐりめぐって、柳の懐に入り、その金で彼女はベビーシッターを雇う。東の治療費のために複数の版元から借りた膨大な借金を返済する。
柳は堂々巡りの自転車操業作家になって、どんどん書いて本を売り、借金の残高を減らさなきゃならない。そのためには、本を売らなきゃしょうがない。
売るためには、いろんな作戦を考えなきゃならん。

しかし、この分では『魂』は『命』より部数は出ないとみた。
このあとも、ずっとこのシリーズで五部作まで引っ張るというが、読者として苦しいものがある。

自分の友人を自分の小説の中に登場させる。
友人がそのことにより虚構と現実の区別のつかない人々から、有言無言の迫害を受けて疵を負ったというのに、その痛みがわからない作家=柳美里。

いや、わかっているのかもしれないが、こんなに意地になって自分の正当性を疑わない様子を見せられるとげんなりだ。
たしかに虚構と現実の区別のつかない読者が大半ではあるのだが……。

わたしは『噂の真相』の読者であるから、東と別れてからの柳のオトコ関係にはわりと詳しかったりする。どうでもいいけど……。

それはさておき、柳をその気にさせて、避妊もせずに性行為をするとこういう目に会うって学習できてなかったのだな>子どもの父。
業界人なら知っていてもよかったはずなのに、本人を目の前にすると、そうはいかないということなのだな。
そういう魔性の女と呼ばれる存在にちょっとあこがれたりもするがの。

完全なフィクションだったなら、なんとも思わないが、この表紙の子どもが大きくなって、これ読んで平気か?
その辺の感覚が、なんともはや、こちとらの感覚を完全に越えている。

よくまあ、ここまで書けるよなあって感心していたのが前作。
よくまあ、ここまで書くよなあってあきれてしまったのが新作。

一番気になったのは、赤ん坊の沐浴への異常な執着だったりしてな。

赤ん坊なんて、がさつ、ずぼら、ぐうたらに育てて、おなか、ほっぺ、おしりを、ただひたすら愛でていたいと書く伊藤比呂美をいまだに崇拝している、あたし。

2:42 01/02/28

木曾は雪だった。

帰宅したら《春》が届いていた。

いはらが、選んでくれた《春》だ。

誕生日プレゼント決定。
大丈夫、残りそうで残らないようで残るものにしたから。

今までのあたしはコトバにずうっと依存していて、コトバが得られないと勝手に意気消沈していた。

いはらは、そんなあたしのコトバ依存症を見抜いていて、コトバよりも、もっと大事なものを送ってよこしたように思う。

「きちんと言葉にして伝えないとわかんないじゃん」と云う人もある。
ああ、それはそれでもっともだ。

もっともだが、こういう民族だし、いちいちコトバに頼らずともちゃんと伝わってるぜって、胸を張ったって罰は当たるまい。

0:30 01/02/24

新譜

aikoの新曲『初恋』。c/wの『脱出』にくらくら。

ジーンズのポケット指を入れてみた
「あたしはここに入りたい」

ほう、ほう。

おまけに歌詞カードの裏表紙には「宇野」に初めて会った日の「さかな」が写っているし……。

15:33 01/02/22

coming out

白いロープを身体に捲き付ける。

ぐるぐる。

しゅる、しゅる、しゅる。……。

ぐるぐる。

しゅる、しゅる、しゅる。……。

股間のロープをこじ開けるようにして、なにやら硬い、丸くはないカタチのものを押し込んできた。

それがなんなのか。
胎児のようにカラダを丸めて、転がっているあたしにはわからない。

冷たい感触ではなく、柔らかい感触でもない。

ぐりぐり。ぐり、ぐり。

枕もとの電話に手を伸ばす。

ぴ、ぽ、ぴ、ぽ、ぴ、ぽ、ぽ、ぱ、ぴ、ぱ、ぱ。

どこに電話をしているんだろう?

ツー、ツー、ツー、ツー。……。

あたしの中に埋め込まれた、なにやら硬い、丸くはないカタチのものが、ぶう、ぶう、ぶうん。という音をさせながら、小さく揺れている。

どうしよう。

とても恥ずかしい機械にされてしまった、あたしの電話。

取り出されて、体温と同じ温度になった道具。



紐の長さの配分がうまくいかなかった。
こすれて痛い。

緩衝材が生えていない部分に、容赦なく食い込んで、痛い。

あ。
そこには指を入れるな。

背中に噛み付いて

歯を立てて

盛り上がった胸を掴んで

乳首を思い切りねじって

爪を立てて……。






ま、最初だから、このくらいにしておく。

16:52 01/02/20

稼ぐ

給料が入ってもどんどん減っていく。

大切な家族が必要とするものを買うために、がんがん使ってしまう。
時には、いはらのためにも、使う。

使うために稼ぐ。
正直にいうと、収入額を支出額が上回り、結果として借金がある。返済のために稼ぐ。
貯めても残しても意味がない。
死ぬ時までに、キレイに使い切らなくてどうするよ。

生きてる証しとして働く。働かないのはダメ。中学校の時、社会の先生がそういった。

誰のために働く? 大切な人たちのために稼いだ金を使い切っちゃう自分が好きだよ。
自分のために働かなきゃ、嘘! じゃん。

職場で接触する人たちのために……、なんて思ってない。
そんなつもりで、働いてない。

18:45 01/02/17

校正

待っても待っても印刷屋が来ない。

初校を一晩で上げた。
再校も日没までにすませた。
早く渡して、いはらに電話したいのに……、まだ来ない。

「あのー、I川さん、お願いします」
「お待ちくださあいん」

……、……。

「すみませーん。忘れてましたあ」

あのねえ!
えーっ、去年より2万余分に出せって?
予算いくらで組んでたか?

ふう。

もしもし……。

21:27 01/02/16

コーヒールンバ

市営ジムに行く時間がなく、急遽、往復4kmくらいの距離を行き付けのCD屋まで徒歩で行って本日のエクササイズとする。
aikoの新シングル『初恋』を予約し、井上陽水『コーヒールンバ』を夫のために買う。

17:12 01/02/14

Shall We Dance?

いはらのことを、夫に話すとしたら……。

わたしの趣味が社交ダンスだと仮定しよう。
もうダンスが好きで好きで仕方なくって、踊ってないと生きてはいけない程に自分の生活に溶け込んでいて……、で、パートナーはこの人なんです、ってそんな感じっすかねー。

なんか、とっても健康的。

ぜーんぜん淫靡でもエロティックでもない。倒錯もしてない。

3:57 01/02/12

信条

午前中のルーティンワークを一通りすませて帰宅。
全裸で体重測定。
せっかくだから、したい、な。

はだかのまま夫のベッドにもぐりこむ。
ほあん。あったかい。ほあん。
ほあん。
最初からハダカで迫ったことなんて、あったっけ?
まあ、よい。ほあん。

夫はいつも昼まで寝ているのだ。だから、いつもこの時間帯なら家で二人っきりになる。
ぎゅう。さわさわ。いきなりですけど全裸です。臨戦体勢です。

で、する。

噛まれたり、なでられたり、つまんでひっぱられたりして、イイ気持ち。
時間はいつもさささっと短いけど、こっちだってのんびりうっとりばかりはしてられない。午後には午後の仕事がある。

そりゃあ、もう、今までに何百回って、いたしてきたんだから。
なんにも話さないけど、夫の言いたいことはみんなわかる。
わたしのことも、かなりわかっているんだろう。
夫はいはらのことは何も知らないが、いつかは言ってもいいような……、言ったからって、わたしら夫婦は大丈夫なような……、そんな気がしている。

ああん。なんて幸せなんだろう。

ジムに行ったら、インストラクターのお姉さんもびっくりするほど体脂肪率が落ちていたし……。
26.8%だった。27を切った。もう、わたしは「でぶ」ではない。

でもって夕方は夕方で、いはらに電話するって昨日から予約してあった。

誰も来ないPC部屋で入力仕事をしてる振りして長電話した。
87分も話したなんて、何ヶ月ぶりだろう?

円満な家庭あっての、SM。

これが信条。
これが第一原則。

今までに寝た他のオトコのことは、どう弁解しても、その内容は夫に対する裏切りだから、口が裂けても言ってはならないし、断固封印されねばならぬが……。

詭弁かもしれないが、いはらのことは言ってもいいような気が、する。
すぐに、じゃないけど。

2:36 01/02/10

サークル?

SM系のサイトをちらちら見ていると【SMサークル】なるものがあるらしい。

そもそも、わたしだってきっかけは某サークルのめるまがの読者になってしまったことだったりするし……。

でも、いまいち「この世界でサークル活動? ん?」って思ってしまう。

でもでも。よくよく考えたら自分がやってることもそういうもんなのかもしれないって思った昨日の昨日はオフだった。

そもそものきっかけはうちの近所に某SMチャットの常連がかたまって住んでいるせいなのだ。
半径2kmの円の中に5人も!(一人は嫁ぎ先でなく実家だが)

これは、どう考えたって多いでしょう。

もうネット仲間に特有の匿名のおつきあいじゃなく、家庭環境から人となりまで(勤務先なんて秘密のうちにも入らない)さらけだされてしまうわけね。
これが怖かったり不愉快だったら、わざわざオフなんてやらんです。

メールで参加者つのってのオフは夜に普通の飲食店でやる。
白昼、電話で召集してファミレスでお茶会もする。

SM談義の合間に方向音痴自慢やサイトの作り方だとかの話もしているし、顔ぶれだけを見ていたら、ごく普通のご近所の寄り合いにしか見えない。

会話の内容を知ると、一般の方は引く……。
かもしれない。

4:41 01/02/08

au

i−modeを持っていないので、このサイト内の携帯対応ファイルの見え具合をauでしか確認していない。

去年の春に出た機種だから液晶もカラーではないし、文字しか表示されない。
でもまあ、うちはテキストサイトだからむしろこれでいいのだ。

トップページにフレームを使ったので、どんな風に読めるかと思い、アクセスしてみたらば……。

[sub]
[main]

だけとは、これまたシンプル。
[sub]とは左側の細い枠の中、[main]は右の大きな枠のこと。[sub]とはいえ目次なので、早速その[sub]の方を[menu]に書き換えておく。
わかりやすい。上出来だ。

先日、駅前でi−mode 503iのデモをやっていた。あんときよっぽど自分とこのサイトにアクセスしたかったんだがなあ。
恥をしのんで、やっとくべきでした。

1:30 01/02/07

いはらの指が眼の前に突き出されたら、あたしは手のひらで包み込んで「なめてもよろしいですか?」と聞くだろう。

肩から水平に伸びた指ならば、胸のボタンを外し前ををはだけて待つ。

その指が地面を指差しているならば、ひれ伏してじっと彼の目を見上げるし、たらんと下げた腕から指だけがこちらを向いていたら、そこに股間を押しあててもみたい。

その指があたしを求める限り、コトバはなくてもその指示に従う。

ちゃんとできるはず。

0:07 01/02/06

コトバ

わたしは「どらみ」と「りり」をweb上で使い分けている。

どらみは、お笑い系のキャラで姐御肌、けっこうがさつなところもある。一人称は「おいら」。これはチャットでおなじみ。

りりは、M女らしく、慎ましやかで(どこがだろう? ふみゅう!)会話はですます調だ。一人称はおおむね「わたし」を使い、ときには「わたくし」とまで云う。

多重人格のつもりはないし、どちらもゼッタイまぎれもなく、このわたしである。
現実のわたくしをご存知の方には、どらみキャラの方が本人にかぶるはず。

かといって「りり」はつくられたこしらえものか? というとけしてそんなことはない。

先日、子どもの母親どうしで立ち話をしている時、わたしが舅や夫との会話をおもしろおかしく再現していたと思いネエ
「あんた、なに? 家でもそんなふうに敬語使ってんの?」と聞かれて
「そうだよ」と答えたら、一同びっくり。

なんでだよ? そんなに不思議か?
よほど亭主を尻に敷くタイプだと思われているらしい。
ちっ、ちっ、ち。

夫や舅に、お伺いをたてる時は敬語で話すに決まってるだろって……。
えええーっ? 違うの? 
どうもよそではもっとフレンドリーな会話をしていらっしゃるらしい。

当然、いはらとも「ですます」でチャットしている。
電話で直接話す時だって「ですます」だ。
わたしはともかく、いはらも無理して「ご主人さまコトバ」を使っているわけじゃない。普通に「ですます」で会話しているにすぎない。

SMのパートナーさん同士は普段はタメ口、プレイモードに入った途端「ご主人さまコトバ」で命令をし「奴隷コトバ」でお返事しているのかしら?
よくしらんが……。

だが、こんなふうに「いはら」を日記に登場させる時は彼に対して敬語は使用しない。呼び捨てにしてもいる。
だって身内に敬語は使わないでしょ。
「今日、わたしのおにいさんがこうおっしゃいました」というのはダメダメじゃん。

だからって、別に特別な理由はなにもない。
ただ敬語で話している自分が大好きだから、そうしてるだけ。

17:50 01/02/04

カタチ

あのカタチは、やっぱり……。

今度、オフでもあったら持参してみなさんに触ってもらおうと思っている。
石はひんやりと冷たくて、体温で暖めるとだんだん手になじんでくる。

作家のコンセプトは今までの作品を見た限りでは、どうやら【生命】。
たまごも男根も生命のみなもと。

19:54 01/02/03

友人の夫が彫刻家だ。
おもに石を彫っている。

や? 石が好きだといっていたから、石しか彫っていなかったかもしれない。

石彫作品

これは小松石という石だそうだ。手のひらにすっぽりおさまる小品で、ま、ペーパーウェイト、っつーか、文鎮として
「こんなんだったら、買ってってくれる?」ってな感じで個展会場のすみのほうで遠慮がちに小さくなっていたのを見つけて、買うことにした。

だってでっかい石の彫刻を買うのもなんだかなあ、だから。

この友人とは仲はよいのだが、なんていうんだろう。
わたしが画廊に入っていくとすぐ、お店の人にわたしを紹介しようとするのはまあよい。作家の妻ならたいていそうするわな。

どうしてこう、職業から先にいうかな。どこに勤めてるとか、本出したことがあるとか、そんなことどうでもいいじゃん。見たまんまのわたしでいいじゃん。付加価値情報を他人のあんたに提供してもらわなくっても、わたしにはそこそこの存在感があるんだからいいんよ。

ああそうだ、他にもあった。

「あ、そうそう、彼は元気?」

彼ってだれだよ?

「あの、若いコ?」
「え? あの人若いの? ほらあのINGギャラリーのオープニングに一緒に来てた……」

げ? あっちのほうか……。もう会ってないよ。消息もしらないよ。

「知らないなあ。元気なんじゃないの?」
あたしゃ、5年前の個展の時に連れてた若いオトコのことを聞かれたかと思ったさ。

なんだかなあ。そういうことは聞かないのがオトナじゃないか?
同級生が夫以外の男性とオープニングとか来てると、やっぱ気になるんですかね。

19:13 01/02/03



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